ウッドワンでは2003年度から環境会計を導入し、効率的な環境負荷の削減に活用しています。
2023年度環境会計の概要
2023年度の環境保全コストにおいて、投資額は19百万円でした。費用額は945百万円で、前年と比べ3.2%の減少となりました。環境保全効果においては、電気使用量の削減対策により前年から7.5%減少させることができました。国内の全ての製造拠点で使用する電力を実質的にCO₂排出ゼロの自社バイオマス発電所由来の再生可能エネルギーに切り替えたことで温室効果ガス排出量を抑制しています。 環境保全対策にともなう経済効果については、バイオマス発電所で発電した電力を販売したことにより1,065百万円の収入を得ています。
2023年度環境会計
- 集計範囲
- 株式会社ウッドワン
- 対象期間
- 2023年4月1日から2024年3月31日
- 集計方法
- 環境会計ガイドライン2005年版を参考に、ウッドワンの事業を考慮した独自の区分により集計
環境保全コスト
(単位:百万円)
区分 | 主な取り組み内容 | 2022年度 | 2023年度 | ||
---|---|---|---|---|---|
投資額 | 費用額 | 投資額 | 費用額 | ||
バイオマス発電 | 木くずによる自家発電にかかる費用 | 2 | 908 | - | 888 |
省資源・リサイクル | 廃棄物削減・処理費用 | - | 53 | - | 36 |
商品の化学物質対策 | ホルムアルデヒド、VOC対策費用 | - | 1 | - | 4 |
公害防止 | 大気汚染、水質汚濁、騒音・振動防止費用 | - | 3 | - | 5 |
管理活動 | 環境負荷物質の測定、EMS関係の費用 | - | 0 | - | 4 |
環境に配慮した製品開発 | 環境に配慮した製品の研究開発費用 | - | 9 | 19 | 5 |
合計 | 2 | 976 | 19 | 945 |
環境保全効果
環境パフォーマンス指標 | 環境保全効果※1 | ||
---|---|---|---|
2022年度 | 2023年度 | 前期との差 | |
電気購入量(千kWh) | 22,584 | 20,395 | -2,189 |
電気使用量(千kWh) | 28,396 | 26,266 | -2,130 |
水資源投入量(㎥) | 330,010 | 258,760 | -71,250 |
温室効果ガス排出量 (Scope 1,2)※2(t-CO₂) |
2,926 | 2,890 | -36 |
廃棄物等総排出量(t) | 3,199 | 4,139 | 940 |
化学物質(t) | 8.3 | 6.0 | -2.3 |
環境保全対策にともなう経済効果
(単位:百万円)
区分 | 金額 | 主な内容 |
---|---|---|
有価物売却 | 1,065 | 売電収入 |
2 | 金属くず売却 |
ニュージーランド植林事業の環境会計
CO₂の“吸収源”としての森林
植物は光合成によって、大気中のCO₂を吸収し、炭素を樹体に固定して、酸素を大気中に排出します。そのため森林は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの1つでもあるCO₂削減の有効な手段として注目されています。1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議では、森林によるCO₂の吸収を温室効果ガス削減の手段として活用することが決まりました。当社グループのジューケンニュージーランドリミテッド(JNL)が運用する約40,000haの森林のうち、ニュージーパインⓇによるCO₂の吸収量は、年間68.7万t-CO2になります。

CO₂の“貯蔵庫”としての木材
温室効果ガスであるCO₂は、森林で樹木に吸収された後も木材中に固定されています。そのため木材製品は燃やされたり微生物によって分解されたりして、再びCO₂として大気中に放出されるまでの貯蔵庫であるといえます。木材製品を生産することは、植林で吸収したCO₂を、炭素として固定する貯蔵庫を生産しているといえます。JNLが2023年度に創出した木材の量は113,118tで、これによる炭素固定量をCO₂に換算すると、9.4万t-CO₂でした。

ニュージーランド植林事業の環境会計
植林・育林コスト
年度 | 投資額 | 費用額 | 環境保全効果 | |
---|---|---|---|---|
2022年度 | 1,719百万円 | 6,678百万円 | CO₂吸収量 | 69.9万t-CO2 |
CO₂固定量 | 13.8万t-CO2 | |||
2023年度 | 2,145百万円 | 8,280百万円 | CO₂吸収量 | 68.7万t-CO2 |
CO₂固定量 | 9.4万t-CO2 |
創出した木材の量
年度 | 木材創出量 |
---|---|
2022年度 | 167,702t |
2023年度 | 113,118t |
森林経営の地をニュージーランドにした理由とは…
日本の杉が60年かかって成長して用材となるのに対して、北米原産のニュージーパインⓇは多雨多湿で生育条件のよいニュージーランドでは30年という短期間で生長し、強度的にも申し分のない樹種であることがわかったからです。