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木になるコラム サステナブル

2024.04.12

サーキュラーエコノミーとは 3Rとの違いとサステナブルな循環経済実現のためにできること

2024.04.12

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中條 聖子

人材採用(新卒・中途採用)に関するメディア、会社案内・入社案内、PR誌、社内報・会報などの編集・原稿制作を手がけています。また、現在はボランティアなどの市民活動に関するジャンルの取材・情報誌の編集を中心に携わっています。

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サーキュラーエコノミーのイメージ画像

持続可能な循環型社会を実現させるべく、「サーキュラーエコノミー」に注目が集まっています。日本語で「循環経済」と呼ばれるこの取り組みには、従来の経済活動と一線を画した考え方が潜んでいます。

今回は、この循環経済(サーキュラーエコノミー)について解説していきます。

サーキュラーエコノミーとは何か?

現在、世界では資源・エネルギーや食糧需要の増大、廃棄物発生量の増加などが深刻化しており、「循環経済(サーキュラーエコノミー)」という持続可能な資源の利用を目指す流れが大きくなっています。

日本では経済産業省が「循環経済ビジョン2020」を2020年に発表。翌年には循環経済の取り組みの加速化に向けた官民連携の「循環経済パートナーシップ」が環境省と経団連によって発足されました。

また、同じ年には環境省と世界経済フォーラム(WEF)が「循環経済ラウンドテーブル会合」を開催するなど、この動きを積極的に推進する姿勢を見せています。

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミーのイメージ画像

では、そんなサーキュラーエコノミーを詳しく見ていきましょう。

サーキュラーエコノミーは環境省の定義で以下のように記述されています。

循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すもの

【出典】環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書>状況>第1部>第2章>第2節 循環経済への移行

これをわかりやすく表したのがエレン・マッカーサー財団という国際的なサーキュラーエコノミー推進機関による「サーキュラーエコノミーの3原則」です。

1.廃棄物や汚染を排除する

2.製品・資材を最も価値の高い状態を保ったまま循環させる

3.自然を再生する

この中では「廃棄物や汚染を排除する」という点が従来の経済活動と決定的に違っていま

従来は前提として「廃棄物や汚染は発生するもの」という概念があり、それらを削減する取り組みに重点が置かれていました。

しかし、サーキュラーエコノミーの前提にあるのは、廃棄物や汚染を最初から発生させないことです。

これを実現へと導くためには、製品の設計段階から持続可能な資源の利用を考慮し、資源の循環利用を製品のライフサイクル全体で最大化することが必要となります。

これは別の見方から言えば、廃棄物を発生させる製品や循環が不可能な製品は生産しないという考え方なのです。

リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ

英語でリニアエコノミー、サーキュラーエコノミーと書かれたメモ帳

かつての経済社会活動は大量廃棄につながる大量生産・大量消費型であり、作っては捨てる資源の無駄使いともいえる現象を生み出していました。

うした一方通行型の経済社会活動は「リニアエコノミー(線型経済)」と呼ばれています。

これをサーキュラーエコノミーと比較すると、以下のような違いがあるのは明らかです。

 ・リニアエコノミー(線型経済)

  原材料⇒製品⇒利用⇒廃棄

 ・サーキュラーエコノミー(循環経済)

  原材料⇒製品⇒利用⇒リサイクル⇒製品⇒(循環)

リニアエコノミー、サーキュラーエコノミーの概要図

【出典】環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書>状況>第1部>第2章>第2節 循環経済への移行

リニアエコノミーという資源を循環させる発想がなかった時代が続いたことで、廃棄物を処理する際に排出される温室効果ガスの量が増大して地球温暖化を進行されるという悪影響が、地球規模の大きな問題となっていきました。

こうした危機感は世界情勢を大きく変化させ、現在は持続可能な形で資源を利用する「循環経済」への移行が目標となっています。

3Rとは サーキュラーエコノミーとの違いは?

リニアエコノミーからの脱却を目指すプロセスは「3R(スリーアール)」と呼ばれる考え方を生みました。

これは循環型社会を形成するために、国や事業者、消費者のすべてを対象とした取り組みを求めるもので、一人ひとりの日常生活にも関わる身近な活動として推進されています。

3R(スリーアール)とは

3Rのイメージイラスト

リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)という3つの頭文字をとった取り組みの総称が3R(スリーアール)です。

リデュース(Reduce:減らす)消費量自体の削減を目指す取り組みで、ポイントは資源の使用や廃棄物の発生を少なくすることです。

製品の耐久性を高めたり、メンテナンスによって製品の寿命を延ばしたりするなども含まれます。

消費者の行動でこれに該当するのは、簡易包装の商品を選ぶマイバッグの持参レンタルやシェアリングシステムの利用などです。

 

リユース(Reuse:繰り返し使う)製品や資源の再利用がポイントです。

使用済み製品や資材の繰り返し利用や、再利用できる製品の提供といった取り組みを指します。

消費者の場合は詰め替え用の商品を選ぶモノを修理して使用する不用品を譲り合うなどがこれに当たります。

 

リサイクル(Recycle:再生利用する)使用済みの製品や資源を原材料に再利用する取り組みです。

そのための回収システムやリサイクル技術の開発などが必要となります。

消費者では資源ゴミの正しい分別や、リサイクル製品の利用などが該当します。

3Rは環境と経済が両立した循環型社会の形成に必要なもので、リデュース、リユース、リサイクルの順に取り組むことが求められています。

サーキュラーエコノミーと3Rの違い

では、サーキュラーエコノミーと3Rの違いは何なのでしょうか。

従来の3Rに加えて資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながらサービス化等によって付加価値を生み出す経済活動がサーキュラーエコノミーです。

3Rは廃棄物が発生することを前提としていて、重点が置かれているのは廃棄物管理の段階における対応です。

一方、サーキュラーエコノミーは製品の設計段階から持続可能な資源の利用を考慮し、製品のライフサイクル全体を通じて資源の効率的な利用を追求する取り組みです。

廃棄物を出さないことを前提にスタートするのが大きな違いなのです。

長年にわたり循環経済の実現を目指すウッドワンの取り組み

ウッドワンは循環型社会の実現と循環経済(サーキュラーエコノミー)を目標に事業活動を行ってきました。その取り組みをご紹介しましょう。

ウッドワンは計画的に森を育てて伐採することで、毎年一定の木材を半永久的に自給自足する循環型の森林経営を基盤としています。

ニュージーランド の”ロハスの森”では、約40,000ヘクタールの森林を30区画に分けて植林・育林・伐採を繰り返し、30年サイクルで管理。伐採した成木は部位の特性を活かしてすべてを有効に使い切ります。

さらに、加工の際に出た木屑は自社工場のバイオマス発電に利用。廃棄物と電力の削減にも取り組んでいます。

生産から廃棄物処理までのサプライチェーンを最適化することにより、廃棄物の発生を最小限に抑えながら資源としての再利用を実践してきたのです。

こうした活動を通じて社会に貢献することを存在意義として、ウッドワンは今後も事業を推進していきます。

 

ウッドワンの詳しい取り組みについては、以下のページをぜひご覧ください。

・「資源の循環」を一社で確立しているウッドワンの事業と、代表的なブランドを紹介

⇒「自ら育てた木を余すところなく使いきる! SDGsや循環型社会に寄与するウッドワンの商品開発

サステナブルな暮らしと相性の良い木材活用・無垢材の魅力について紹介

⇒「無垢材と共に過ごす、サステナブルな暮らし

・再生可能な循環型資源として期待される木材の役割について紹介

⇒「木材が担う地球温暖化対策の大きな役割とは

サステナビリティに関する考え方や取り組みをまとめたレポート

□ウッドワン サステナビリティレポート をみる

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