「木のぬくもりを暮らしの中へ」をテーマにキッチン、建具、床等の住宅部材をトータルでご提案する(株)ウッドワン。 編集部では、皆さまが快適な家づくりをするための役立つ情報や、楽しいコンテンツを日々こつこつ集めて発信してきます。
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目次
近年、ただ快適な空間を提供するだけでなく環境にも優しい「サステナブル建築」が話題になっています。私たちが日々利用する建築物は、実は地球環境に多大な負荷をかけています。材料の調達から施工、そして維持管理や取り壊しに至るまで、エネルギーの消費やCO₂の排出が避けられないのが現状です。当記事では、そんな時代に即したサステナブル建築について、具体例も踏まえてお伝えしていきます。
サステナブル建築とは環境に配慮した建物づくりのこと
サステナブル建築とは「環境に配慮した建物づくり」のことです。以下を取り入れることで環境への負荷を減らしながら、快適で健康的な建築を目指します。
- ・エネルギー効率の良い設計
- ・再生可能エネルギーの活用
- ・廃棄物を減らす工夫
- ・地域の生態系に配慮
- ・持続可能な建材の使用
- ・リサイクル可能な素材の利用
- ・長持ちする設計
なお、日本建設業連合会による「サステナブル建築」の定義は次のとおりです。
(1)建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り
(2)その他地域の気候、伝統、文化および周辺環境と調和しつつ
(3)将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を構築すること
環境負荷を軽減しながら、快適で健康的な住環境を提供したい思いに共感した人たちが取り入れています。
サステナブル建築が注目される理由
サステナブル建築が注目されるのは、環境への配慮が重要視されているからです。建物のエネルギー消費を抑えることで地球温暖化の進行を遅らせ、持続可能な資材を使うことで自然資源の枯渇を防げます。また、建築廃棄物の増加が問題視されている中で、リサイクルや廃棄物削減の取り組みも必要です。
さらに、空気の質や断熱性が向上することで、健康で快適な住環境が実現されます。規制や認証制度の整備により、サステナブルな建築はますます高く評価されるようになっているのです。
サステナブル建築のメリット
サステナブル建築を作るメリットは次のとおりです。
・地球環境への配慮
・ランニングコストの削減
- ・社会的信頼の獲得
社会的な意義だけでなく、経済的なメリットもあります。
地球環境への配慮
サステナブル建築はエネルギー効率を高めたり再生可能エネルギーを活用したりすることで、二酸化炭素排出量を大幅に削減できます。持続可能な建材を使用することで、自然資源の保全にも。地球温暖化の防止や生態系の保護に貢献し、環境負荷を最小限に抑えられるメリットもあります。
ランニングコストの削減
サステナブル建築は長期的に見て経済的なメリットがあります。まず、エネルギー効率の高い設計や設備を導入することで、光熱費の削減が期待できます。また、耐久性の高い建材やリサイクル可能な素材を使用することで、メンテナンスや修繕にかかるコストを抑えることが可能です。結果、トータルコストを削減し、建物を維持するためのランニングコストを抑えられます。
社会的信頼の獲得
サステナブル建築に取り組むことで、ブランドイメージの向上や顧客の支持を得ることにつながります。環境に配慮した取り組みを行うことで企業や個人の社会的責任を果たし、社会からの信頼や評価が高まる効果が。規制や認証制度に適合することで公的な認証を受ければ、信頼性をさらに強化できるでしょう。
サステナブル建築のデメリット
初期コストがかかる
サステナブル建築の最大のデメリットの一つは初期投資が高くなることです。高性能な断熱材・省エネルギー機器・再生可能エネルギー設備など、環境に配慮した建材や技術は、一般的にコストが高くなりがちです。設計段階から専門的な知識や技術が必要なため、設計費や施工費も増加する可能性があります。
専門的な知識や高度な技術が必要
サステナブル建築には専門的な知識や高度な技術が求められます。エネルギー効率の高い設計や持続可能な資材の選定には、建築の専門家や技術者の協力が不可欠です。仮に技術が未熟な職人が作った場合、施工が複雑化し、プロジェクトの進行が遅れるリスクがあります。サステナブル建築を建設するなら、依頼先を慎重に検討しましょう。
認証制度や規制に対応する手続きが煩雑
サステナブル建築には認証制度や環境規制に対応するための手続きが伴う点が大きなデメリットです。認証を取得するための書類作成や調整に時間とコストがかかるため、この時点で挫折してしまうケースも。設計や施工の各段階での証明や検査が求められるため、プロジェクト全体の進行が遅れる要因になることもあります。
サステナブル建築の3つの基準
サステナブル建築と呼ぶには以下の3つの基準があります。
- ・地球の視点
- ・地域の視点
- ・生活の視点
地球の視点
地球環境への負荷を最小限に抑える基本的な基準が「地球の視点」です。
再生可能エネルギーの利用や二酸化炭素排出量の削減が求められます。
例えば、以下のような対策が地球の視点に含まれます。
- ・太陽光発電や小型風力発電を導入することでクリーンなエネルギー供給が可能
- ・高断熱材を用いてエネルギー効率を高め冷暖房にかかるエネルギーを削減
- ・持続可能な資源を選定し森林保全や生態系保護に貢献
環境負荷を抑え、未来の世代にも持続可能な地球を引き継ぐための基準です。
地域の視点
サステナブル建築は地域の自然環境や気候に適した設計も求められます。地域ごとの気候条件に対応した設計で、建物の快適性と省エネ性を両立させる基準が「地域の視点」です。例えば、次のような工夫が考えられます。
- ・寒冷地では自然のエネルギーを利用した設計を取り入れ、暖房にかかるエネルギーを節約
- ・地域で調達できる持続可能な資材を活用し輸送による環境負荷を減らす
- ・地域の伝統的な建築技術や様式を取り入れ景観との調和を図る
地域と一緒に発展する建物は、その地域が長く続いていくのを助ける役割を果たします。
生活の視点
サステナブル建築は、「生活の視点」で居住者の健康と快適性を重視した環境づくりも目指します。生活の視点を取り入れると、以下のような建物ができます。
・自然採光を最大限に取り入れる設計でエネルギー消費を抑え明るく快適な居住空間を実現
・換気システムやフィルターを導入し室内の空気質を向上させ健康リスクを減らす
- ・耐久性のある建材や省エネ型の設備を導入し、光熱費やメンテナンスコストを削減
快適で健康的な生活環境が、長期的な居住満足度を高めるには必要です。
【事例3選】有名な日本のサステナブル建築
最後に、日本の有名なサステナブル建築を3つご紹介します。
阪神甲子園球場
阪神甲子園球場は2010年に「快適性の向上」と「環境負荷の減少」をテーマに改修されました。外壁には蔦を植え、景観に配慮し、耐震補強工事で長期的な安全性も確保されています。
さらに、大屋根に太陽光発電を設置し、雨水を貯水する仕組みを導入。球場の水使用量の約65%を雨水で賄っています。
モラージュ菖蒲
周辺環境と調和するため、シロサギをモチーフにしたアースカラーのデザインが採用されています。空調には「氷蓄熱式空調システム」を使い、夜間の熱エネルギーを昼間に利用することでランニングコストを削減。LED照明やセンサー照明で電力を約5割カットしています。
みなとみらいセンタービル
屋上緑化や節水システムを導入し、塩害地域に適した換気システムを備えています。みなとみらいセンタービルの機能で特に注目すべきは「T−Soleilミラー機能」です。太陽を追尾して光を鏡で拡散させ、エントランスや中間階を照らすことで電力消費を抑えています。
まとめ
今回は地球にやさしいサステナブル建築について解説しました。サステナブル建築は、エネルギーの有効活用や廃棄物削減など、環境に優しいだけでなく、ランニングコストの削減や社会的信頼の向上にもつながります。
これからも、地域の特性に合わせたデザインや最新技術を活用した取り組みが進んでいくことで、より多くの人々が快適かつ環境に優しい空間を享受できるようになるでしょう。
ウッドワンでは、サステナブルを意識して、ニュージーランドで理想の木を育てるところから住宅に使われる構造材や建築部材の製造を行っています。気になる方は以下のページより取り組み内容を見てみてください。
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