
2025 ウッドワン賞
2025年度
東京都
旅館のような癒しの空間を目指し、木の質感と多彩な素材の経年変化を楽しめる住まいをテーマにした。アプローチの木格子から玄関のなぐり板張りのドアを開けると、広い土間と畳敷きの廊下が続き、簀戸や古建具で仕切られた和室が、非日常の和の空間を演出する。 1階は客間としても使用できる存在感のある和室、落ち着いた照明に拘りの器具が映える質感のある壁が続き、ゆとりある水回り空間へと繋がる。 なぐり仕上げの階段を足裏でその質感を感じながら上がると、開放的なLDKが広がる。 2階は家族の日常生活の場でありながら、客人を驚かせ、心を解き放つコミュニティの場としても機能する。アール壁面の柔らかな印象、石壁、そして力強さを感じるなぐり加工の床や畳といった各要素がその質感と共にくつろぎの空間を創り出している。メインのキッチンは木の風合いを活かした質感で多彩な要素が共存するLDKの中で確固たる存在感を放っている。