2024 優秀賞
2024年度
佐賀県
松本設計
『鶴川内の家』~母のためのリノベーション~「鶴河内の家」は大分県日田市の山あいの集落に建つ築40年の住宅である。建て主のご子息から、病気の母のために心地良く、ゆったりと余生を過ごすことのできるLDK空間をつくりたいとの相談を受けた。元々のプランは方位的に一番良い南東の場所が来客用の通し間の和室となっている古い住宅の典型であり、家族は北側の日が当たらない暗い場所を団らんの場として使用していた。本家ではあるものの、普段の来客はそれほどないため、仏壇を別の和室に移し、通し間の和室と広縁部分をLDKとして改修することとした。手の行き届いた美しい南庭を常に望むことが出来るようにしたことと合わせて、東側にも開口部を設け、東側の庭や池の鯉を眺められるようにすることで、二方向に緑を感じることが出来る心地良い空間になった。天井を屋根成りとし、小屋梁は表しとした。広縁はタイル張りとし、冬の日差しを蓄熱することで暖房負荷を低減している。