
受賞無し
2025年度
愛知県
中心市街地から郊外へと向かう国道が、川を渡る手前の交差点に島のように残された街区に建つ住居。 交通量の多い国道と居住空間の緩衝帯として、住居の内部に「通り」を作ることにした。 「通り」は幅1.4m、長さ7間、2層吹抜けの石敷きで、国道に対し1階は閉塞し、2階は開口としている。 居住空間で感じる車の速さ・音をできるだけ消し光だけを取りこんでいる。 東西の両壁面は1間ピッチの耐力壁のリブとし、リブの間を各空間に応じたユニットとした。 棚や洗面の他にベンチ、カウンターも組込み、「通り」にはみ出せる居場所をあちこちに作った。 内部は手洗い以外は収納にも建具が無い大きなワンルーム。 今は6人家族の住居であるが時が移ろえば人員も入れ替わる。 住居ではないものになるかもしれない。 メンバーや用途が変わったとしても人の暮らし・営みを支えることのできる、融通無碍な器としての建築を目指した。