家族がもっとも長く過ごすキッチン・ダイニングを、暮らしの中心として豊かに彩ること。そこには、「時間を有意義で心地よいものにしたい」「日本の色彩を暮らしに取り入れたい」という住まい手の強い想いがありました。ダイニングは朝から昼にかけての食事の時間帯に自然光が心地よく降り注ぐ南東方向に配置。プライバシーを守りつつ開放感を得られるよう、中庭を設けることで、内と外の空間がやわらかに繋がります。キッチンは、LDKの中心にレイアウト。無垢の木のキッチンは、空間全体に用いた自然素材と調和し、家族の活動の核として機能します。壁面には日本の伝統的な色彩をイメージしたタイルを施し、落ち着きの中に彩りと表情を添えました。空間の一角には小さな小上がりの畳スペースを設け、くつろぎや来客対応など、シーンに応じて柔軟に使える居場所を確保。家族の営みが自然に交わり、時間の積み重ねが豊かな記憶となる、そんな空間を目指した。