採用事例|高知県産材 複合フローリング 桧

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高知県の、森と人の輪をつくる。木のぬくもりが心地よい合同庁舎。

高知県は、森林率84%を有する、全国一の森林県* です。
その豊富な資源を守り続けるために、森の循環を促す取り組みが行われています。
取り組みの一つとして、県産材の木を使った施設の木質化が促進されています。
新築工事にあたり「高知県産材 複合フローリング 桧」をご採用いただいた、高知県宿毛合同庁舎を訪ねました。

* 参照:高知県 林業振興・環境部 木材増産推進課 令和5年9月「再造林推進プラン」

宿毛の暮らしに根づく建築

高知県宿毛市

高知県の南西部に位置する「宿毛市(すくもし)」。海と山が近接する自然豊かな街です。
山々には澄んだ水の川が流れ、その周辺で里山の暮らしが根づいています。
透き通った海では、カツオ・ブリ・カンパチなど海の幸が豊富に獲れることから、漁業が盛んに行われています。

そんな宿毛市で新設された、高知県宿毛合同庁舎。設計を手がけた、ハウジング総合コンサルタント 設計部長の村田様にお話を伺いました。

高知県宿毛合同庁舎

高知県宿毛合同庁舎には、街づくりを支える「土木事業所」、特産品である魚の漁獲を支える「漁業指導所」が入っており、市民の暮らしを支える欠かせない場所です。

「市の産業を支える漁業。常に安定しておいしい魚を獲れるよう漁業調整を行っています。漁師さんが普段と様子が違う魚を持ってきて、調べることもあります。黒潮の流れが変わると生じる、魚の獲れ方の変化、時期によって異なる魚の病気等を調べたりしています」。

もともと、海の近くにあった合同庁舎。津波が来た時に備え、海抜30mの高台に新設されました。

街づくりにおいて、周辺の環境との調和は外せない。

高知県の街づくりの役割を担う、ハウジング総合コンサルタント。その中で、⺠間施設づくりにおいて心がけられていることは「周辺の環境になじむ施設づくり」でした。

「建物を単体で捉えずに、周辺に立っている建物との調和を心がけています。
建物が多い場所だと、それぞれの建物の個性が引き立っていても違和感ないのですが、
自然が豊かな街では、景観を崩さないようにすることが求められていると感じます」と村田様。

新設の高知県宿毛合同庁舎は、背面には深い⼭・前方には海が眺められる場所。⾃然の多い周辺の環境に溶け込む施設に仕上げました。


高知県産の木の床材を選ぶ。

高知県の森を循環させたいという想い

村田様は、今回の合同庁舎に使う床材を「県産材であること」を前提として探されたといいます。
それは「高知県の政策として、県内の公共施設に県産材の使用を前提としていること」、
そして「高知県の森を循環させたい」という想いからでした。

「高知県の森で育つ木は45年生を過ぎたものが大半です。すでに利用期に達していますが、この資源を充分に活用できていないという現状があります。」

本来、森林を健全に保つためには「切って、使って、植えて、育てる」という森林資源の循環が必要です。しかし、急傾斜地の山が多い高知県ではトラックなどの大きな重機が入るのが難しく、山から木を切り運び出すための作業道の整備には多くの費用がかかります。

「林業従事者も年々減っており、今後更に深刻な課題となります。しかし今回の工事もそうですが、県産材利用の促進の流れがあり、木材の需要は増えると思います。それと同時に、森を管理する人手の増加を目的として、森林の学習が積極的に行われています」。

県産材を活用することは、地域への経済的な貢献を行い、森を手入れする環境を整えることにつながります。

永く安心して使える床材を探して。

県産材のフローリングを探している中で複合フローリング 桧のご採用の決め手となったのは、時が経っても少ないメンテナンスで安心して使えるという点でした。

「パンフレットを貰った時、高知県産材であるということを真正面からPRするメーカーは珍しいな、と感じました。読み進めていくと、必要とする性能の条件も満たしており、高い耐久性があることも把握できました。サンプルで現物を確認したあと、仕様書への落とし込みを決めました」とのこと。

「公共施設において床材を選ぶにあたり、後々のメンテナンスを考えて “全く新しいもの” よりも “今まで使ってきて、問題がないもの” を使うことが多いです。今回初めてウッドワンのものを使ったのですが、現場塗装とは違い、納品時から表面に強度の高い塗装がかけられていますよね。そういった点において、安心して選ぶことができました」。


木のぬくもりあふれる空間づくり

床・壁・建具にも、県産材の木を使う。

施設内へ入ると、たちこめる芳醇な木の香りに包まれます。
県からの推進もあり、床の他にも、壁・天井・建具のほとんどに県産材の木を使っています。

「今までは、床はプラスチック素材のPタイル・壁はモルタルを使った施設が主流でした。ですが、そういった素材と木とでは、見た目、肌ざわり、質感が違います。床材で比較した際、歩いている時の疲れにくさにも影響します」と村田様。

また、省エネにも意識して設計されたそうです。「少ない電力で快適な室温を保つ工夫をしました。例えば、階段室などの空調設備を取り付けていない場所には、温度によって窓が自動的に開閉するようにしました。全体の空気の流れを良くすることで、効率的な室温調整ができるのです」。

働きやすい環境をつくるために、木や省エネ設備を利用して過ごしやすい空間づくりをされていました。

細部にわたる木づかい。

施設を歩き回るとあちこちで見つける、木の使い方に心があたたかくなります。
木でできたトイレやフロア標識は視覚的に楽しく、廊下の窓辺に設けられた木製ベンチはほっと一息つくことができます。

過ごしている中で何気なく目をやった先にまで、ひと工夫が感じられます。
木視率の高いオフィス空間は、心理的にもリラックス効果や集中力が高まりそうです。

空間のゾーニングにも、木を使う。

事務所内に用いられている家具も、県産材の木を使って造作したものだそうです。
「設計段階から、人数に合わせて机のレイアウトを考えて家具の配置・サイズを決めました。家具を配置することで、広い空間をゆるく仕切っています」。
両側から取り出せる棚は収納物をスムーズに取り出すことができ、腰高のカウンターは解放感を損なわずに空間を仕切ることができます。

木をふんだんに使う、ということだけではなく、そこで働く方々のことを考えて設計されています。


日本有数の森林率を誇る、高知県。その豊かな森の成長を促し将来に残していこうという声が強まっています。
そのためには、地域の木材を使い、地域社会の経済が回ることが、山を守ることに繋がります。
また、地域の木を使った空間は、そこで過ごす人々の心に安心感と安らぎを与えてくれます。

私たちは、そんな地域の木材を安心してお使いいただけるよう、汚れや傷への強さを追求して製品開発を行いました。
永くお使いいただき、地域に根づいた空間であり続けることを願っております。

取材協力:ハウジング総合コンサルタント

採用商品

高知県産材フローリング
複合フローリング 桧

※県産材フローリングにつきましては、お近くの営業所へお問い合わせください。

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