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木になるコラム サステナブル

2023.09.22

カーボンニュートラルを意識した建材選びとは 炭素固定量の見える化で脱炭素社会に貢献

2023.09.22

# カーボンニュートラル # 炭素固定 # 脱炭素 # 脱炭素社会
中條 聖子

人材採用(新卒・中途採用)に関するメディア、会社案内・入社案内、PR誌、社内報・会報などの編集・原稿制作を手がけています。また、現在はボランティアなどの市民活動に関するジャンルの取材・情報誌の編集を中心に携わっています。

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地球温暖化対策の中心となっているカーボンニュートラル。温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指すカーボンニュートラルへの取り組みのひとつとして、建材選びが挙げられているのをご存じでしょうか。

今回はこの建材選びにスポットを当て、脱炭素社会について考えていきます。

カーボンニュートラル実現に欠かせない炭素固定化

地球温暖化対策のために求められる、脱炭素社会・カーボンニュートラルの実現

地球温暖化は、化石燃料の燃焼によって大気中に放出されるCO2などの温室効果ガスの増加が原因で起こっている現象です。この状態が進行すると、極端な気象現象や海面上昇などが発生し、人類や自然環境に大きな影響を与えることになります。

それを防ぐために2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指し、脱炭素社会への転換が求められています。

カーボンニュートラル実現のために重要な、木材による炭素固定化

脱炭素社会の実現には、CO2の排出を削減するだけでなく、CO2を地球上に固定化することも重要です。これを「炭素固定化」と呼びます。 炭素固定化には、植物による光合成や海洋による吸収、地下にCO2を埋没させるなどの方法があります。

特に、木材の光合成による炭素固定化は、CO2を吸収して木材内部に固定化することで排出量を削減するだけでなく、炭素の蓄積につながります。 そのため、森林の保全・拡大、農地の緑化などによる植林・造林が、カーボンニュートラル実現に欠かせない有効な手段となります。

※地球温暖化に関する問題については下記の記事もご参照ください。

⇒「木材が担う地球温暖化対策の大きな役割とは

※カーボンニュートラルについては下記の記事をご参照ください。

⇒「炭素って知ってる!?カーボンニュートラルに欠かせない木材の炭素固定とは

林野庁が炭素貯蔵量の表示に関するガイドラインを公表

「第2の森林」と呼ばれる木造建築物

建築物などに木材の利用を進めることは、「都市等における第2の森林づくり」といわれるほど重視されています。林野庁によれば、2019年の森林吸収量実績のうち木材利用による効果は約380万t-CO2というデータが示されています。

炭素の貯蔵庫と言われる木材をできるだけ多く使っていくことで、地球温暖化防止への貢献が期待されているのです。

※t-CO2は、二酸化炭素の重量tを表す単位で、トンCO2と読みます。

地球環境のことを考える上で配慮したい“建材選び”

建物や家具などの建材は、地球環境に与える影響が大きいといわれています。 それは、建材の製造・運搬・施工によるCO2の排出や、自然資源の消費、廃棄物の処理などが環境への大きな負荷となっているからです。

そうした中で、木材を加工した建材はCO2の吸収によって炭素固定化が進み、環境に配慮した製品として注目されています。また、木材を使うことで、コンクリートなどの建材に比べて製造過程でのCO2排出量が少なく、地球環境に与える影響を抑えることができます。

しかし、木材を大量に使用することで森林伐採が進むと、環境破壊につながることが懸念されます。そのため、森林保全・再生に取り組むことが必要であり、認証制度に基づく持続可能な森林経営によって、森林の適切な管理が行われるようにすることが求められます。

地球環境のことを考えるなら、建材選びには環境に配慮した素材を選び、その素材を製造する工程や運搬・施工についても、CO2の排出を抑えたり、廃棄物の減量化を行うなどの取り組みが必要です。また、製品の安全性や健康面についても確認することが大切です。

これらの取り組みが、持続可能な社会の実現につながるといえます。

林野庁より貯蔵量の表示に関するガイドラインが公表

2021年10月1日、林野庁は、「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」を制定しました。このガイドラインは、木材の一層の利用を促進するため、炭素貯蔵量をわかりやすく表示する方法を示したものです。

この炭素貯蔵量の表示は、環境保全やカーボンニュートラルな社会の実現に向けた取り組みの一環であり、具体的な計算方法や表示方法が挙げられています。

このガイドラインの公表により、木材の炭素固定化機能がより一層重視され、環境保全に向けた取り組みが加速されることが期待されます。

ウッドワンでも建材のCO2固定化量を見える化!

ウッドワンの製品カタログに建材のCO2固定化量を表示

ウッドワンでは、2022年度発行のカタログより、ニュージーランドの自社森林で育てた木材から加工製造した内装建材商品のCO2固定化量の見える化を開始しました。

CO2固定化量掲載商品と掲載例をご紹介します。

【2022年度ピノアースカタログ ピノアースシリーズ ドア】

【2022年度床材カタログ ピノアースシリーズ フローリング】

例えば、30坪の木造住宅1棟に使用したピノアースシリーズの内装建材の材木を2.74立方メートルとした場合、そのCO2固定量は2.5t-CO2です。これは人間約6.8人が1年に排出するCO2を固定化したことになります。

このように、ウッドワンは商品の環境価値の見える化により、建材商品を選択する際の指標をわかりやすく提供していきます。

詳しくはこちら

詳しくはウッドワンのサステナビリティレポートをご覧ください。

ウッドワン サステナビリティレポート2022をみる

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