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木になるコラム アナザーストーリー

2023.08.30

木で造られた橋について考えてみる

2023.08.30

# 木橋 # 集成材
WOODONE編集部

「木のぬくもりを暮らしの中へ」をテーマにキッチン、建具、床等の住宅部材をトータルでご提案する(株)ウッドワン。 編集部では、皆さまが快適な家づくりをするための役立つ情報や、楽しいコンテンツを日々こつこつ集めて発信してきます。

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現在国内では、木で造られた橋(木橋/もくきょう)が代表的なところだけでも200カ所以上挙げることができます。いかがでしょう、意外にたくさんあるんだなと思いませんか。

もっともこの数には、山口県岩国市の「錦帯橋」のように、観光施設的な橋も含まれています。とは言うものの、人の往来だけではなく、車も行き来できる生活橋として日常的に役立っている木橋もたくさんあるのです。また中には、静岡県に流れる大井川に「蓬莱橋」という木橋があります。これは歩行者だけの橋ですが、その全長は約897.4m。日本どころか世界一長い木造の橋としてギネスブックに認定されているものもあります。

では、木を材料にした橋の強度や耐用年数はどうなっているのでしょう。現実的にコンクリート橋や鉄橋に比べると、建設コストや腐朽の面で課題が残ります。しかし反面、天然素材である木ならではの自然景観マッチや触れたときの優しいイメージは人工素材では受けられない多くのメリットを私たちに与えてくれます。さらに製造過程においてCO2排出が少なくてすみ、間伐材を使用することで森の活性化にも貢献できるのです。

また、常に水に触れる橋脚だけを鉄骨やコンクリートで造り、私たちが目にしたり触れる機会が多い橋板や欄干部分を木製にするハイブリット的な組み合わせも考えられます。

実はここでも役立つのは集成材。これまでの木橋の多くは無垢の材木を組み合わせていましたが、集成材の特徴をふまえた上で的確な使い方をしてやれば、たとえ木造であってもコンクリートや鉄に引けを取らない強度と耐久性を持った橋ができるのです。

なによりも木をたくさん使った橋ですから、人工物でありながら自然にマッチしてしまうところが良いところ。また、見ても触っても優しいこの風合いは、さすが木橋ならではです。往来が激しい都会ではそれこそメンテナンスが難しいのでしょうが、その有効性を見直すと、もっと身近に木橋がたくさん掛けられるようになるといいですね。

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