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アナザーストーリー

カテゴリ : 木で出来たプロダクト

第23回 時の権力者あこがれの香木「欄奢侍(らんじゃたい)」
香木とは、東南アジアに自生しているジンチョウゲ科に属する、沈水香木(ぢんすいこうぼく)という木が変化してできたお香の元になる樹木です。

東大寺の宝物殿である正倉院には、欄奢侍(らんじゃたい)と称される香木が納められています。
一見するとただの流木にしか見えませんが、その深い香りは何にもまして類がなく、足利義政、織田信長、明治天皇が切り取った痕に証拠として紙片が貼られています。
その他にも豊臣秀吉や徳川家康など歴代の権力者たちが切り取ったと伝えられていますから、この香木は一種あこがれの象徴だったのでしょう。

また、一般的にも香木をいぶして立ち上がる煙りと香りを楽しむ精神文化「香道」が行われています。この世界では香りを楽しむことを「嗅ぐ」とは言わず、「聞く」と表現します。
今で言うアロマテラピーを、もっと精神的に突き詰めた感覚であると理解できます。

このように香木は特殊にしても、木が私たちに与えてくれる影響は奥深いものがあります。例えば木の香りがする新築の家に入ると、青畳の香りと相まって豊かな落ち着きと深い安らぎを与えてくれます。それは深呼吸すらしたくなる瞬間、まさに「日本人に生まれて良かった」と思うときではないでしょうか。