住まいのプロが語る、
無垢の木のある生活
インテリアコーディネーター
MAKOさん
収納王子コジマジック
小島弘章さん
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/ 収納王子コジマジック(小島弘章) /
片づけ・収納・住まいに関する確かな知識と実績を持つプロフェッショナルでありながら、松竹芸能で25年の芸歴を積んだ、主婦層に圧倒的な支持を受ける男性ライフスタイル系タレントのパイオニア。
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/ MAKO /
インテリアコーディネート・スタイリングをベースに、近年では法人企業とコラボレーションして商品や店舗のプロデュースを行う。
片づけ、収納、住まいに関するプロとして評判の収納王子コジマジックさんと、
ホテルや店舗、個人宅まで多岐に渡るインテリアのコーディネート、スタイリングで定評のあるMAKOさん。
テレビや雑誌、WEBなど数多くのメディアでご活躍のおふたりが「無垢の木」をテーマに対談。
最新のインテリア事情から、コジマジックさんご自宅キッチンのこだわりポイント、収納術まで語っていただきました。
Cross Talk
Thema#01
いまやキッチンは家具。
だから空間を演出できる無垢の木が人気に。
プロの視点からみて、
無垢の木の良さとは?
木の香りや、時間とともに変化する色合いの美しさや味わい、誰もがやすらぎや癒やしを感じられる素材だと思いますよ。それに木を「嫌い」という人はほとんどいません。機能面でも、自然の調湿機能があるので高温多湿な日本の環境にあいます。たとえば無垢の床は、夏涼しく、冬あたたかいという特徴もあります。健康的な素材ですね。
ーコジマジックさんわが家も、最近家を新築しまして、ウッドワンの無垢の木のキッチンを選んだんです。以前の住まいは、僕のテーマカラーでもある白が基調でした。でも、子どもが生まれてから、自然とぬくもりのある空間にしたいなと思うようになったんです。
ーMAKOさん最近はキッチンに無垢材を選ぶ方は増えていますよ。昔のキッチンは、いわゆる水まわり。家事空間として独立していました。今はLDKとして、リビングと間仕切りがなくなっているのが一般的なので、生活空間になじみやすいデザイン性の高いものが求められる傾向が強いです。
無垢材はメンテナンスやお手入れが大変そうという視点で、ステンレスなど金属を選ぶ方もいます。でも、万一傷ついてしまっても、その傷さえもそのままにして、家族の成長の歴史や愛着ととらえる方もいます。空間が変わることで、価値の置き方、解釈が変わってきているのかなと感じますね。機能性を最優先にして選ぶより、いかに空間をつくるかという視点で、“家具のように”キッチンを選ぶ時代になっていますね。
そう、まさに家具。わが家のキッチンはLDKが見渡せて、お客様が入ってきたらまっさきに目に飛び込んでくる場所にあるんです。無垢の木のキッチンは本当に存在感があって、空間に非常に映えますね。無垢材を選んで、大正解でした。
- コジマジック邸
- コジマジック邸
私も拝見しましたが、コジマジックさんのLDKはワンフロアになっていて、ステージ上にあるかのような無垢材の家具っぽいキッチンがとても印象的です。無垢材はやはり空間になじみますね。
ーコジマジックさん無垢材の上質な印象も気に入っています。でもその分、かなり高額なんだろうなとはじめは思っていました。
ーMAKOさん確かに。一般的にはそう思っている方は多いし、メーカーによって変わりますがだいたい高額ではありますね。
ーコジマジックさん実際、自宅のキッチン設備を検討しているとき、他メーカーで見積りをお願いしたらかなり高額でした。だからウッドワンのキッチンの価格には、正直アレっと拍子抜け。でも、その価格は自社で育てた木を使っているからだって聞いて驚いたんです。
ウッドワンはニュージーランドに森林と工場があり、自社管理で苗木から育てて、無垢材をつくっているんですね。
ーコジマジックさん無垢材にこだわりに、こだわって、とうとう自分たちで材料をつくるところまで行き着いたと思うと…、見る目が変わりましたね。職人さんのものづくりの歴史や無垢材への想い、それを聞くうちに僕自身も大切に育てていかないと、という気持ちになりました。感動しましたね。わが家のキッチンの話になると、ついつい「実はこのキッチンの無垢材はね…」と話したくなってしまうくらいなんですよ(笑)。
Thema#02
時間とともに、その家族だけの無垢の木の風合いが生まれる。
キッチンや床などに無垢材を選んだ場合の、あわせやすい家具やインテリアについて教えてください。
無垢材はなんでもあいますね。もちろん無垢材に無垢材をあわせてもよいし、異素材もいいです。革、ファブリック、鉄、コンクリート、プラスチックもあいます。気をつけるのはその配分ですね。インテリアのベースとして無垢材を多めに、異素材はアクセントとして椅子やソファなどに取りいれるのがおすすめです。
僕もMAKOさんのアドバイスで革のソファを合わせました。とてもなじんでいてね、気に入っています。
もし無垢材の内装に無垢材の家具を合わせるなら、木部の⾊を変えたり、小物などは、木質とは違う材質のトレイなどを飾ったりするといいですね。空間にメリハリやコントラストが出て活動的な空間になるので、ファミリー層にはおすすめです。
わが家は床の色がバーチ柄(グレー)で、タイニングテーブルはウォールナットだったので、キッチンの扉の色をどうあわせるか難しかったんです。MAKOさんのおすすめでミディアムブラウンを選んだら、床とテーブルの色をちょうど中和してくれました。
ーMAKOさんミディアムブラウンはなんにでも調和する、いい色です。最近の流行りは、ユニセックスな印象の“グレイッシュ”。そういう視点でいうと、ウッドワンのキッチンでの中でもスイージーの色展開はいいですね。インテリアにもあわせやすいし、北欧スタイル、モノトーン、モダンスタイルと、適度にスタイリッシュ感をプラスした色々な空間がつくれていいなと思っています。
無垢材って、歴史も感じられますね。色を決めるときに、ショールームでいくつかサンプルを見たのですが、同じ色でもニュアンスが少しずつ違う。聞くと、室内の温度や光の当たり具合、時間の経過などで色合いが変化するから、新しいサンプルと何年か経ったものでは、それぞれに新しい味わいというか表情になるというお話でした。それが素敵だなと。わが家では、どんなふうに成長するのかなと、すごく楽しみになります。
ーMAKOさん無垢材の場合は、印刷のシート材と違って同じものがないんですね。だから“財産”といってもいいかもしれません。唯一無二の家具という感じですね。
Thema#03
オープン収納は、使える収納。コツを知って使いこなして!
ーコジマジックさんは、最初、フレームキッチンを気に入っていただいたと伺っています。
ーコジマジックさんそうなんです。黒い鉄と無垢の棚板の組み合わせが、かっこいいなーと。男性はけっこう好きなひと多いと思いますよ。でも、妻は収納がオープンすぎて、このおしゃれさを保つ自信がないと…。妻がいつでも笑顔でいられるような家づくりが、僕のなによりの希望なので、妻が気に入ったスイージーを選びました。
ーオープンな収納はおしゃれだし憧れる方も多いですが、片づけが苦手で諦める方も多いですよね。
モノが多くてごちゃごちゃしそうだと。
実は、ごちゃごちゃして見えるかどうかは、モノの多さではなくて、並べ方も重要です。同じ内容でも、サイズや色を揃えて並べ替えるだけで、きちんと見えるんです。
気になる方は、ぜひ一度、並べ替えをおすすめします。自分が見て心地いい収納にきっとできますよ。
それにオープン収納は、扉を開けるというひと手間が省けるから、取り出しやすくて機能的。どこに何があるか、ひと目でわかるのもいいです。たとえば、家族がせっかくお手伝いしてくれても、「あれは、どこにあるの?」とそのたびに聞かれると、逆に負担になってしまいます。
ーMAKOさんむしろオープン収納は、生活に密着した棚といえるかもしれませんね。
オープン収納にしたけど、うまくいかないという方は、棚の高さや幅にあわせたボックスを引き出しがわりにして使うのもいいです。隠したいものや、めったに使わないものはボックスにいれて、見せたいお気に入りの鍋だけをオープン棚に置くとか。
それがよく使う鍋なら、使い勝手もいいですしね。
収納のコツとしては、目の高さから腰あたりの位置にある収納は、もっとも使いやすいんです。この位置は、扉の開け閉めというひと手間がいらない、出し入れしやすいオープン収納にするのがおすすめ。そして、椅子に乗らないと手が届かない高さや、しゃがまないといけない低い位置の収納は、使用頻度の低いモノをいれて、扉収納にして見えないようにするとか、身体のストレス度にあわせてもいいですね。
ちなみに、使いにくいところはあえて使わない、という収納法もあるとよくお伝えしています。空間があると、どうしても何かを仕まわなくてはと思いがちですが、無理に使わなくてもいいんです。
オープン収納は特にそうかもしれませんね。スペースがあるから、ついあれこれ置いて、ごちゃごちゃに見えてしまう。お気に入りの食器や鍋をいくつか置いて、それだけでもいいんですね。それ以上、置かない!と決める。
僕は、フォーカルポイントをつくることもおすすめします。家族の写真やお気に入りの小物など置いて、お客様がやってくると必ず視線がいく点、つまりフォーカルポイントをつくっておく。そうするとお客様の注目がそちらにいくので、多少散らかっていても気にならないんです(笑)。
ーMAKOさん魅せるという点でいえば、オープン収納が魅せる、扉収納が隠すというふうにとらえがちだけれど、無垢材の扉なら締めていても“魅せる”収納ともいえますね。無垢材の美しさや風合いは、それだけで空間全体に癒やしやぬくもりを与える効果もありますから。
ーコジマジックさんまさにわが家のキッチンがそうです!妻は、いつもキッチンにいるんです。僕がリビングにいても、ずっとキッチンから話しかけてくる(笑)。こっちに来たらというと「なんだか、ここが居心地いいから」って。
いつのまにか、無垢材のおかげで、キッチンがわが家の主役になりましたね。
収納王子コジマジック(小島弘章)
インテリアコーディネーターMAKO