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2024.11.01

ヌックとは? デッドスペースを有効活用した居心地の良い部屋、癒しの空間づくり

2024.11.01

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安美 サヨリ

二級建築士。専門学校を卒業後、店舗やオフィスなどのデザイン・設計に従事。 「住宅にかかわる仕事がしたい」という子どもの頃からの夢を叶えるため、結婚後に大手ハウスメーカーのリフォーム営業に転職。外装から内装まで家のリフォーム全般に携わる。 その時の経験を活かし住宅や建築に関する記事を執筆。 現在は子育てをしながら、CADでの図面作成業務とライターを兼業するフリーランスとして活動中。

二級建築士。専門学校を卒業後、店舗やオフィスなどのデザイン・設計に従事。 「住宅にかかわる仕事がしたい」という子どもの頃からの夢を叶えるため、結婚後に大手ハウスメーカーのリフォーム営業に転職。外装から内装まで家のリフォーム全般に携わる。 その時の経験を活かし住宅や建築に関する記事を執筆。 現在は子育てをしながら、CADでの図面作成業務とライターを兼業するフリーランスとして活動中。

本棚がついたヌック

「ヌック」という言葉をご存知でしょうか?

ヌックとは、家の中のちょっとしたスペースにつくる「居心地の良い空間」のこと。

ヌックを上手に活用することで、おうちでの生活が充実し、より一層楽しめるようになります。

本記事ではヌックの魅力について解説しながら、ヌックを取り入れるポイントや、おすすめの設置場所についてまとめました。

記事の後半では、ヌックの施工事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!

自宅に居心地の良い空間「ヌック」をつくろう!

外の景色が見えるヌック

ヌックとは?

ヌックは「居心地の良いこぢんまりとした場所」を意味する言葉で、スコットランド語の「ヌーク(neuk)」が語源です。

スコットランドの建築様式である「イングル・ヌーク」から由来しており、暖炉のそばに設けた腰掛け部分をヌック(ヌーク)といいます。

英語では朝食をとるためのカジュアルなスペースを「ブレックファースト・ヌック」、読書をするための小スペースを「リーディング・ヌック」と呼び、インテリアに多く取り入れられています。

日本でも、コロナ禍を経ておうち時間が多くなったことをきっかけに「より居心地の良い場所」を求め、家づくりの際にヌックを設置するケースが増えてきました。

ヌックのメリット

ヌックの大きな魅力は、こぢんまりとした空間ならではの「居心地の良さ」にあります。

ヌックはリビングやダイニングの横に設けられることが多く、家族の気配を感じながらも、自分ひとりの時間を楽しめる特別な空間です。

読書をしたり、お昼寝をしたり、子どもが遊んだりと、多目的に使えるところも嬉しいポイント。

一般的なリビング・ダイニングは、広さを意識するあまり、ともすると単調な空間になりがちですが、ヌックを設けることで変化が生まれメリハリのある個性的な部屋に仕上がります。

ヌックは小さなスペースに設置できるため、デッドスペースを有効活用できるのもメリットのひとつです。

ヌックのデメリット

一方で、建築費用がかかるなどのデメリットもあります。

ベンチやデスクをつけたり、小上がりにしたり、窓を設けたりすれば、その分コストアップにつながります。

デッドスペース以外の場所にヌックを設ける際は、居住スペースや収納スペースが狭くなる恐れがある点にも注意が必要です。

ヌックを取り入れることで、かえって暮らしにくくなってしまわないように、間取り全体のバランスを考えて検討しましょう。

ヌックを取り入れるときの3つのポイント

和室のヌック

ヌックを取り入れる際のポイントは、次の3つです。

①広さは2~3畳ほどにする

②ドアなどで仕切らない

③小上がりにしたり、天井を下げたりして「おこもり感」を演出する

 

ヌックの設計では、ほどよい狭さを確保しつつ、隣り合う空間とつながりを持つことが大切です。

壁やドアで仕切るのではなく、リビングやダイニングとは違う素材を用いたり、段差を変えたりして、同じ空間の中でゆるやかにゾーニングすることを意識してみましょう。

ヌックをつくるなら「デッドスペース」がおすすめ

ヌックの設置場所は、リビング・ダイニングの片隅や、階段下などが一般的です。

基本的には、家のデッドスペースを活用するのがおすすめ。

限られた面積を有効活用できるだけでなく、普通の部屋とは違った「特別な空間」を演出できます。

日当たりの良い南面に、出窓を設けてベンチスペースを設置すれば、家族みんなの憩いの場所になることでしょう。

デッドスペースの活用方法については、下記の記事でもご紹介しています。

デッドスペースを収納に活用! 新たに収納スペースを作り出す方法も

ヌックのある家の実例を4つご紹介

施工事例①「からだの声を聴いて選んだ床が、大切なことを教えてくれる。」

引き出し付きヌック

リノベーションヌック

古い団地をリノベーションした際に窓辺に設けられたヌックです。

コンパクトなスペースに段差をつけてベンチやヌックを設けるなど、いろいろな場所でくつろげるように設計されています。

床には足触りの良い「無垢フローリング」を採用し、リラックスできる空間に仕上がっています。

詳しくはこちら⇒施工事例

施工事例②「畳ヌックのある大屋根の住まい」

ヌックがある間取り 畳のヌック

キッチンの奥に設けられた、畳ヌックです。

吹き抜けとつながる開放的なLDKとは対照的に、おこもり感を楽しめる空間になっています。

子どもの遊び場として活用すれば、キッチンで料理をしながら子どもの様子を見守れますね。

詳しくはこちら⇒ワンズキューボ(規格型) 施工事例

施工事例③「土間縁のある平屋。那須で叶えた、二度目の家づくり。」

休憩場所ヌック

書斎の横に「休憩場所」としてつくられたヌックです。

足を伸ばせるベンチを設置し、天井をわざと低くして、秘密基地感を演出しています。

カーテンを閉めれば、完全なプライベート空間としても活用できます。

詳しくはこちら⇒Ki-Mama [Gallery]

施工事例④「白い框組扉のキッチンが舞台。午後は家族でお茶会を」

階段下ヌック アーチ開口ヌック

階段下のデッドスペースを活用したヌックです。

アーチ型の開口部は、ヨーロッパのお城に招かれたかのようなLDKのインテリアとマッチしており、空間の素敵なアクセントになっています。

もともとはアートを飾ったりパソコンを使ったりする場所でしたが、今は愛犬のくつろぎスペースになっています。

詳しくはこちら⇒Ki-Mama [Gallery]

 

ウッドワンのサイト「Ki-mama(きまま)」では「木と、くらそう。」をテーマに、木のある暮らしとその魅力について発信しています。

木のある暮らしのスタイルや、木とともに人生を楽しむ人たちの物語を、一つずつていねいに綴っています。

本記事でご紹介したヌックのある家もご紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

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