WOODONE VALUE
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木になるコラム アナザーストーリー

2023.06.07

合理化の名のもとに、忘れられてはいけない木の文化

2023.06.07

# 文化 # 木製品 # 職人
WOODONE編集部

「木のぬくもりを暮らしの中へ」をテーマにキッチン、建具、床等の住宅部材をトータルでご提案する(株)ウッドワン。 編集部では、皆さまが快適な家づくりをするための役立つ情報や、楽しいコンテンツを日々こつこつ集めて発信してきます。

「木のぬくもりを暮らしの中へ」をテーマにキッチン、建具、床等の住宅部材をトータルでご提案する(株)ウッドワン。 編集部では、皆さまが快適な家づくりをするための役立つ情報や、楽しいコンテンツを日々こつこつ集めて発信してきます。

木材を利用した生業に携わる方は、いったいどのくらいいらっしゃるのでしょう。
職業名であげると、大工はすぐに思い浮かびます。しかし同じ大工でも、宮大工・船大工・造作大工・型枠大工と、それぞれ専門職に分けることができます。さらに高級な家具や箱を作る指物師、障子や襖を組む建具師などさまざまな専門職も思い浮かびます。

木椀やお盆を削りだす木地師もいらっしゃいますし、コケシを造る職人、杉の薄板を使った小判型の弁当箱“曲げわっぱ”をこしらえる職人と、こうして列挙すると古くから木は様々な仕事を生み出しているのです。

ところが近年は、手軽で安価という理由だけで、木に代わってプラスチックやFRPのように人工的な素材が台頭しています。たとえば船大工が造る木造船は、まれに川舟として生き残っているくらい。お正月に使っていた春慶や漆塗りの重箱も、よほどの旧家でなければ用意されていないでしょう。

とはいうものの、木製品は手がかかるかわりに、独特な肌合いや美しさは他で代用することができません。怖いのは最初からそういう感触や肌合いを知らないまま育つ若年層です。何でもかんでも合理的になる反面で、滅びる文化もあり得るのです。こういう時代だからこそ、曲がりなりにでも木材にかかわっている私たちから木ならではの良さをもって啓蒙する必要があるのではないでしょうか。

※FRP/樹脂を繊維で補強することによって、強度を著しく向上させた繊維強化プラスチック。

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