WOODONE

2022 最優秀賞(伊東豊雄賞)

2022年度

東京都

g_FACTORY 建築設計事務所

「下諏訪の蔵土間」

下諏訪の諏訪大社からほど近い旧家が残存する一角にこの蔵はあります。大正8年に建立したこの蔵を息子夫妻の為の「住まい」として再生した計画です。約100年の間、改修や増築を繰り返しながらも大切に保存されてきたこの蔵。今回住まいとして再生するにあたり付加されたものは撤去し初期状態に戻した上で、再生したいと考えました。そのひとつ下屋部分は、蔵への前室として半戸外的な土間へ戻し既存の庭を挟みながら親世帯、近隣の交流の場として開いた場所にしました。構造、断熱、設備、開口部には現代のテクノロジーを施した上で住まいとしての性能を担保し、蔵の雰囲気に合うようキッチンは無垢素材のウッドワンを採用し違和感のない様に配置しました。この蔵を保存する事によって、町並みの風景は継承した上で、懐古主義だけではない新しい蔵の利用方法を提案し、住まうだけではなく、この蔵を通じて地域循環のロールモデルになる事も意図しています。