WOODONE

受賞無し

2022年度

和歌山県

TSUGU DESIGN

「大工だった祖父が建てた家を改修したい」とのご要望から始まりました本計画。ただ、既存建物をじっくり調査した結果、改修では解消し難い様々な不具合が判明し、総合的判断から建替えをお勧めするに至りました。ですが、単に解体し新たに建物を建てる事には違和感を感じ、「古くても良いものを大切に取り入れて家づくりをする」という考えを施主と共有し、旧家の面影を暗に感じられるよう計画を進めました。具体的には、腐食から逃れた梁や建具、家具類を再活用し、地元紀州材と組み合わせることで新旧素材の調和を図ると共に、光入り方や風の流れを細やかに感じられるパッシブハウスを目指しました。加えて、紀州材と共に採用したのが、木の年輪をそのまま意匠としたスイージーカップボードとデザインウォール刻。新しさの中に落ち着きや懐かしさが感じられ、結果、年を更に重ねるとともに想いが宿る住まいとなりました。