WOODONE

受賞無し

2022年度

鳥取県

有限会社ふくた

代々住み継いでこられた土地が道路拡張工事に伴い一部を収用され、東西に長い敷地が残った。敷地に接す河川からの河風の強さは老夫婦の人生に刻まれている。今回の母屋建替え計画は、離れて暮らしていた娘家族との3世代同居へ展開する。外観は、庇を周囲ぐるりと回し強い河風が混ざる風雨や陽ざしから家を護るだけでなく、意匠的にも安心感を加えている。外壁は何度も重ねた塗壁で柔らかく仕上げ、玄関部分と大屋根の深い軒がある西面はアクセントに木の格子を施した。プランニングでは、細長い敷地形状をメリットと捉え、家の中央に玄関を配置し2世帯が悠々と過ごせるようにした。そのゆったりとした玄関へ開放性を持たせるのに、デザイン階段が一翼を担っている。黒塗りのささら桁に一間の踊り場が更に空間を引き立てる。LDKは大空間を大黒柱が支え、間接照明で浮かび上がる下がり天井のレッドシダーは、グラードプラスの美しい木目と呼応している。

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