WOODONE

受賞無し

2024年度

東京都

g_FACTORY 建築設計事務所

https://gfactory-arch.com/

この家は信州アルプスの山々に囲まれた伊那谷にある。代々この地で農業を営まれていが、子供達が巣立ち、祖母が年老いてきた事を契機に改修をする事を決意された。築30数年ではあるが断熱は施されておらず、この地の冬を乗り切るにはあまりにも貧弱であった。また個々に区切られた和室郡を解体し、日当たりのよい場所へ家族の集まる居場所を希望されていた。しかし夫婦と祖母の3人で暮らすには広すぎる事、外周全ての窓や断熱を新たにやり替えるにはかなりコストがかかる事が判明した為、「部分改修」という選択をした。既存の広縁をバッファーゾーンとして利用し、その内側の建具で断熱を施す事にした。室内の素材はこの地にあった自然素材(漆喰や無垢床)を選択しながら、優先順位をつけながら適材適所に新たな素材を既存部分と馴染ませている。「部分改修」というネガティブな要素に、新たな価値と可能性へ変換する事が出来たのではないかと考えている