WOODONE

2024 ウッドワン賞

2024年度

山口県

株式会社kinoca

https://kinoca.co.jp

この計画は温泉施設の横の古民家が売りに出たことから始まった。 「築150年は経っていて、いい材料は使っている。」と言われたが購入した当時、住んでいた方が寒かったせいか全ての部屋天井が新建材で作られていた。ここを飲食店として使いたいという要望があり、全貌を知るためにまず解体作業を行った。すると見事な梁が多数現れ、この梁をどのように生かすべきかを考えた。 梁を生かすために断熱材を入れ高天井にし、高い所に間接照明を設置。光を柔らかに後ろから梁にあてることで梁が浮いたように演出。庭には水音のする仕掛けも作り、バードバスも作った。この庭面の大きな窓にチークの無垢カウンターを設置しゆっくり庭を見ながらくつろげるようにした。 見事な梁を組んでいただいた先人たちへの敬意を示すべく、本物の材料と快適な空間を作った。建物で視覚・聴覚・触覚を、食事で味覚・嗅覚を、ここで5感が感じられる建物となっている。