受賞無し
2024年度
群馬県
ねぎしけんちくスタジオ
建て主からの依頼は、ご両親から引き継いだ二階建て日本家屋の部分的な改装で、老朽化した内装や設備交換を目的とするものでした。 一階に六部屋の和室を有する大きな住宅で、丸太の柱や梁で組まれた荘厳な造りが魅力である一方、和風建築の形式的な設えに不自由さを感じました。 そこで、既存の間取りや構造には可能な限り手を加えずに、日本家屋に備わっている美しい建築様式を保ちながら、現代の生活様式に調和した住空間の獲得を目指しました。 畳の床をフローリングに貼り換え、廊下との段差を解消し、部分的な解体によって家全体に回遊性を与えました。南東に位置する居間では、庭を望む縁側の障子を外して室内を外部に開放したことで、光と風が室内に注ぎ込み、明るく広がりのある生活の場が生まれました。 個人の嗜好性を強く反映した既存住宅のコンテキストを尊重しながら、ささやかな加筆によって次世代へと継承していく改装の在り方を提示してい