「木のぬくもりを暮らしの中へ」をテーマにキッチン、建具、床等の住宅部材をトータルでご提案する(株)ウッドワン。 編集部では、皆さまが快適な家づくりをするための役立つ情報や、楽しいコンテンツを日々こつこつ集めて発信してきます。
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「板目と柾目とは?」「同じ木でも柾目のほうが少し値段が高めなのはなぜ?」このように疑問に思っている方も多いでしょう。板目と柾目とは、木目の名称です。今回は、板目と柾目の違いを徹底比較したうえで、どちらを選ぶべきかお伝えします。住宅の木材選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
板目と柾目は木目が違う
板目と柾目の一番の違いは木目の模様です。同じ木材でも切り出し方が違うだけで板目も柾目もできます。ところで、壁材や床材として採用したときに木目の違いがどのように影響してくるか気になる方も多いでしょう。以下で詳しく解説します。
板目
板目とは、木材を中心からずらして切り取った際に現れる木目のことです。丸い木を短冊切りのように切っていくと板目の模様になります。年輪が曲線や山型の模様として表れており、模様が木材の自然な風合いを引き立たせる要素となってナチュラルで温かみのある印象です。
板目は丸太の端から端を効率よく切り出す方法で製材されるため、コストパフォーマンスが良い特徴があります。ただし、乾燥や湿気の影響で、反りや収縮が発生しやすいという特性もあるため要注意です。
柾目
柾目は木材の中心部から放射状に切り取った際に現れる木目で、直線的で整然とした模様が特徴です。年輪に対して垂直にカットしているため、このような直線的な木目になります。見た目に高級感があり、モダンでスタイリッシュな印象です。さらに柾目は一本の丸太から取れる量が少ないため希少価値が高く、価格も比較的高め。美しい見た目と落ち着いた印象が多くの支持を集める理由です。
ただし、柾目は木目に沿って剥がれる可能性があるため、強度の面では板目よりも繊細な扱いが求められます。
板目と柾目の比較
板目と柾目の違いを、以下の点で比較します。
- ・見た目
- ・値段
- ・強度
- ・変形
- 住宅の建材を選ぶ際に後悔しないための参考にしてみてください。
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見た目
- 柾目は直線的で整然とした模様が特徴でモダンで上品な印象の木材です。デザイン性の高い家具などに多く用いられます。木材を使ってスタイリッシュな印象にしたいときには、柾目を選ぶと良いでしょう。
- 板目は山型や曲線状の模様が特徴で、ナチュラルで個性的な雰囲気が魅力です。木の表情を楽しみたい方には、板目のほうが人気です。森の中のコテージのようなナチュラルテイストの家にしたいなら、板目を採用してランダムな木目を楽しみましょう。
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値段
- 板目は柾目に比べて価格が安い傾向があります。板目のほうが丸太を効率的に使って製材できるため、一本の丸太からより多くの板が取れて、結果的にコストが抑えられます。
- 一方、柾目は丸太の芯を中心に放射状に切り出されるため、端材が多く出てしまいます。効率よりも木目の美しさを優先した建材だからです。また、柾目は希少性の高さや美しい直線的な木目が人気で高い需要があり、高価になることが一般的です。
- このように、製材効率と需要の差が価格に反映されて、柾目と板目の価格差が発生しています。柾目のほうが高価だから良い、というわけではない点に注意して選びましょう。
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強度
- 木材の強度に関しては、板目のほうが柾目よりも優れている場合が多いといわれています。特に、曲げる力に対しては板目のほうが強く、耐久性の高さが目立ちます。
- ただし、住宅や家具などを日常的に使用する際には、柾目と板目の強度の差は極端には問題にならないことがほとんどです。強度はほぼ同じだと思って、他の項目を考慮して選んでください。
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変形
- 木材は湿度の変化によって収縮や膨張を繰り返すため、反りや変形が発生しやすい素材です。そのため大前提として、変形するものだと思っておいたほうが無難です。
- 柾目は年輪が直線的に並んでいて収縮の方向が均一なため、板目に比べて反りや変形が生じにくい特徴があります。板目は木目が曲線状であるため、湿度の影響を受けやすく、反りや湾曲が目立つことがあります。長期間安定した形状を維持したい場合には、あえていうなら柾目が適しています。
板目より柾目のほうが良い?
値段が高く希少性も高い柾目のほうが「良いもの」と考える方もいます。しかし厳密にいうと、どちらが良いかは目的や好みによります。
スタイリッシュな印象にしたいときは柾目、ナチュラルで個性的な風合いを求めるなら板目など、見た目の印象で選ぶのも一つの方法です。つくりたい空間のイメージやライフスタイルなど、様々な観点から考えて自分に合ったものを選んでください。
板目と柾目以外の木目用語
板目と柾目以外にも木材に関する用語があるので、最後にご紹介します。
- ・杢目
- ・追柾
- ・四方柾
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杢目(もくめ)
- 杢目(もくめ)は、丸太の表面近くを削るように製材すると現れる、独特の木目です。波型の丸みを帯びた模様が特徴的です。
- 杢目は木材の表情を楽しむことができるため、芸術的な用途にも適している木材です。デザイン性の高さから家具やインテリアのデザインに使われることが多く、特にテーブルの天板や装飾パネルとして人気があります。
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追柾(おいまさ)
- 追柾(おいまさ)は、板目と柾目の間のような木目です。柾目の直線的な美しさと、板目の個性的な風合いの両方を兼ね備えた見た目です。
- 木目は整然としつつも、斜めに流れるような動きが特徴で、丸太を板目と柾目の中間的な位置から製材することでこのような木目になります。独特な表情を活かして、高級家具・楽器・装飾パネル・工芸品など幅広い用途で利用されています。
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四方柾(しほうまさ)
- 四方柾(しほうまさ)は、四面すべてが柾目になるように製材された特殊な建材です。主に柱や角材として利用され、高級和室の建築に用いられることが多いです。直線的で均一な木目は凛とした美しさがあり、静寂で高級感のある和室になります。
- この木目を製材するには非常に大きな直径の木が必要で、希少性の高さからかなり高額な値段がついています。四方柾は茶室や神社仏閣の建築、伝統的な和風空間の装飾材としても選ばれる最高級の木材として日本建築の伝統を支え続けている木材です。
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まとめ
- 今回は、板目と柾目の違いに着目しながらそれぞれの特徴や魅力をご紹介しました。どちらを選ぶかによって部屋の印象が変わってくるため、イメージにあったものを選んでください。
- たとえば以下のページでは、オークの木で作る高級感のある壁材を、柾目仕様・板目仕様にわけて紹介しています。木目の模様でかなり印象が変わるので、同じ木材でどの程度の違いがあるのか気になる方は、ぜひ見てみてください。
- □ウッドワンのフラットパネルオークをみる
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