WOODONE VALUE
地球と人に価値ある木の空間を

用語集

2024.11.01

框(かまち)

2024.11.01

「框(かまち)」は、日本の伝統的な建築様式や家具において、特定の構造部分や部材を指す用語です。

主に以下のような意味や用途で使われます。
1、建築における框
建築においては、框は主に床や階段の縁、開口部の周囲を囲む木材のことを指します。
たとえば、和風建築の玄関の段差に使われる「上がり框(あがりがまち)」は、外部から内部への移行部分であり、外部の土間と内部の畳敷きの空間を仕切る役割を果たしています。
この部分は人が踏んだり座ったりすることが多いため、耐久性の高い木材が用いられ、細部にまで工夫が凝らされることが一般的です。

2、家具における框
家具においても、框は重要な役割を果たします。障子や襖の周囲を囲む木枠や、畳の周囲を囲む縁木の部分も框と呼ばれます。
これらの框は、建具や家具の構造を安定させ、長期間の使用に耐えるよう設計されています。また、框の装飾や材質によって、全体の美観や格調を高めることもできます。

框には、耐久性が求められるため、硬くて丈夫な木材が使用されることが多いです。
ヒノキやケヤキ、クリなどがよく用いられ、これらの木材は、適切に乾燥させた後に加工され、必要に応じて装飾が施されます。
框の加工技術には、高度な木工技術が求められ、熟練した職人が細部にまでこだわって作り上げることが一般的です。

また、框は単なる構造材や装飾材としてだけでなく、日本の住文化や美意識を反映した重要な文化的要素でもあります。
空間の仕切りとして、また視覚的な境界を形成するためのデザイン要素として、建築全体の雰囲気や空間の使い方に大きな影響を与えるのです。
例えば、上がり框を越えることで、外の世界から内の世界への移行を象徴するなど、框には日本独自の空間感覚が反映されています。

框は、日本建築や家具の中で、機能性と美しさを兼ね備えた重要な要素として、今も多くの場面で用いられています。