WOODONE

受賞無し

2020年度

愛知県

ナノメートルアーキテクチャー

「造作の構造」  三重県志摩市の自然が広がる森の入口に敷地はある。施主は若い夫婦で、たくさんの人を招き、自然の空気を感じながら志摩を楽しみ好きになってもらう場所が求められた。   施主の要望から紡ぎ出された希望の欠片達は、建築にはまだならない理想の出来事とそれに必要な家具があれば成り立つようなものだった。そこでこの森の中で造作をばらまいた。  出来事と造作を起点に、床壁屋根ができ、建物の形が見え、行動を促し、そこに住む人や訪れる人の振る舞いがあり、生活のあらゆる要素が混ざり合って、この志摩の家は出来上がっているという点で、建物の骨格以上の構造を作っていると思う。構造といえば架構の美しさや新しさが注目されがちだが、そうではない捉え方を考えたときに造作から生み出される構造に行き着いた。用途は構造に寄り添って導かれる。構造にもなりうる造作のまとまりが、建築になることに気づいた。