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ロハスの森から

木がもつ特別なチカラ

私たち日本人にとって、心の原風景の中にいつまでも生き続ける「木」とのかかわり。移ろう四季の美しさ、香りや手触りなど、思い返せばこころ癒されるものばかりです。それはいったい何故なのでしょうか?はるか昔から住まいの建材として利用され、その良さを見事なまでに生かしてきた古人たちの知恵と技。今あらためて知ることで、"ロハス"な暮らしがいっそう豊かになっていくはずです。

心を癒す木目の「ゆらぎ」。

木目には、柾目と板目というふたつのパターンがあり、木目模様が平行にまっすぐ通っているのが柾目、まっすぐ通らず山型や不規則な波型のものが板目と呼ばれています。木目は、成長過程における天候や気候といった環境の変化によって、その模様や色合いに違いが生じ、自然に育ったものだけが持つ微妙な変化をしています。私たち人間の精神状態が安定している時は、1/fと呼ばれる45度の傾きをもつ「ゆらぎ」のリズムに乗って生命を保っています。私たちが普段なにげなく目にする木目は、人間の生理機能と同じ「ゆらぎ」を持っています。さらに、この「ゆらぎ」という微妙の差を生じて決して同一をとらない"自然のデザイン"が、私たち人間の心に安らぎを与え、毎日の暮らしをより快適なものとしてくれるのです。また、木が人にやさしいのは「ゆらぎ」だけではありません。木材は、目に有害な紫外線を吸収して、波長の長い目にやさしい光を多く反射するので暖かい感じとなるのです。なぜなら、木の表面には、細胞による多くの小さな凹凸があり、光をいくつにもわけて反射してくれるからです。つまり木は、その手触りや味わいとともに、やさしい光を私たちに届けてくれているのです。

板目

ニュージーランドの森

木製品になっても木は呼吸する。

調湿作用

物を長い期間保存する時、その保存状態に大きな影響を与えるのは湿度だといわれています。 湿度の変動幅が大きいとその損傷も激しくなり、温度よりも湿度のほうが、保存状態を左右する要素のようです。 最近の住宅は、建築技術の進歩に伴い、その気密性も高くなり、住宅内に湿気を滞留させる原因となっています。 その結果、湿気にとる腐朽といったトラブルが多く見られるようになってきました。そこで、木の調湿作用が注目を浴びています。 木質材料を表面材として使用していない居間(A)と、木質材料を使用している居間(B)の調湿作用の違いを調査すると、 Bの住宅の方が、Aの住宅に比べ、湿度変動が約半分という結果が出ています。これは、Bの住宅の特長でもある、表面に 現れている木質材料が、調湿していることを如実に表わしているのです。調湿作用は、人間の発汗作用を正常にするとともに、 建物内の「結露」をも防ぎ、快適な室内環境を作り出します。調湿、吸放湿作用においても、木は、私たちの体に、そして住まい 自体に多大なメリットをもたらせてくれています。だからこそ私たちの生活において、木をいかに上手に使っていくか、木の 特性をどれだけ知っているかが大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。

「木の床」はダニの害を解消。

木の床

家屋内のダニによるアレルギー性疾患が、問題になっています。 そういった状況の中で、健康に対する関心の高まりから、人に快適でダニに不快な環境を作るための 木材の再認識=有効利用が重要になってきます。森林総合研究所の宮崎博士らにより、鉄筋コンクリ ート集合住宅に住みダニの害に悩んでいる家庭において、床を畳およびカーペットからナラ材を主体 にした「木の床」に改装することによって、ダニの数がどのように変化するかを調べる実験が行われ ました。改装前の床上のダニの数は、104匹/㎡(8、9月平均)。「木の床」へ改装後、ダニは、 平均23匹/㎡に減少し、ダニの害も解消されたことが報告されています。この結果から床を「木の床」 に改装することで、ダニの数を減少させることが可能であり、しかも「木の床」は、人にとって物理 的に見ても感覚的に見ても、快適な状況をつくることができるのです。 それでは、木材がどうしてダニ退治に一役かってくれているのでしょう。森林総合研究所の宮崎博士 らの実験によると、木材の持つ精油がダニの行動を抑制することが分かりました。ビペリトンや シトロネラールが強い効果を発揮しました。つまり、木にはダニの行動を抑制する効果があり、 その効果には精油中の成分が大きく影響しているということです。

木の香りは人間を快適にする。

木の香り

近年、「アロマテラピー」や「アロマコロジー」という言葉をよく耳にします。 ストレスにどっぷり漬かった現代人を、香りをもってストレスから解放しようという芳香療法、 芳香心理学のことです。昔から、香りが人体に影響を及ぼすことは、経験的には知られていました。 また、森林浴に出かけると、一種独特の森の香りがあることに気づくと思います。それはフィトンチッド と呼ばれる成分であることはよく知られています。爽やかで、一般的にカラダに良いといわれているその正体は、 森の植物が発散しているわけです。前出の森林総合研究所の宮崎博士らは、森林浴によって生体にもたらされる効果を、 生理的な指標を用いて明らかにすることを目的とし、次のような実験を行いました。まず、5人の健康な男子学生を 被験者に、屋久杉の森に入り、約40分間、2,000~2,500歩の森林浴をします。次に、鹿児島大学の人口気候室に森と 似た傾斜地を作り、温度と湿度を同じにし、同様の散歩を彼らにさせます。どちらの場合も、20分後に指先の血液量 と血圧、だ液量などを測定します。その結果、指先の血液量は、森林浴の場合のほうが室内の時より280%の増加を 示しました。これは森林浴の場合の方が、副交感神経系が、活発な安らいだ状態にあることを示しています。血圧は、 抹消の血液量が多くなったために減少傾向を示しました。 このように、木は人の身体に快適であるということが徐々に証明されています。私たち人間にとって、木はかけがえのない自然の財産なのです。

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