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アナザーストーリー

カテゴリ : 木にまつわるエトセトラ

第37回 音の世界では、木質素材を超えることはできない!?
先ごろある音響メーカーが、インナーイヤー・ヘッドホンの振動板ユニットと躯体に木を使用した新製品を発表しました。メーカーによると、この部分に木を使うことで低音域の高調波歪みと高音域の共振を抑えることができ、重厚な低音域とピュアな中高音域を量感豊かに再生するのだそうです。インナーイヤー・ヘッドホンは耳の穴に入れるほど小さな製品です。それでもあえて木を採用することで、音にこだわる人にとって音質の差が聞きわけられるほど違いが出るのでしょう。

ご承知のように木は音の振動を伝えやすい反面、共振など余分な音を吸収してしまう特性があります。ですから、プラスチックをはじめとした新素材がたくさん得られる現代になっても、高級スピーカーの躯体としてチーク材やバーチ材で組み立てられた製品を敢えて求められるユーザーがいらっしゃるのもうなずけます。

改めて見直してみると、世に名器と言われているアコースティック楽器の多くは木を使って作られています。例えばイタリアのストラディバリ(1644-1731年)が制作したバイオリンは、没後200年を超えても音が良い名器として高額で取引されています。また、ピアノの名器として名を馳せるスタインウェイもしかり、強靱な鉄フレームと強い弦の張りを打つことで音を出し、木の一枚板を曲げたカーブで作られた躯体全体で心地よく共鳴させ仕組みは現代も引き継がれています。

こうしてみると、まだまだ音の世界では木の有用性が続きそうですね。