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アナザーストーリー

カテゴリ : 木にまつわるエトセトラ

第35回 日本初の木造ドームは、集成材だから造ることができた。
神話の国で知られる島根県出雲市には、木を骨組みにした屋内型多目的施設「出雲ドーム」があります。1992年に日本初の木造ドームとして開設以来、軟式野球やサッカーなどのスポーツをはじめ、コンサートのような屋内イベントにも使われています。

ドーム高は48.9m、野球場として比較すると、両翼90m(甲子園95m)・中堅110m(甲子園118m)あり、甲子園球場よりわずかに小振りながら立派なドームと言えるでしょう。

構造は木質系立体張弦アーチにテンション膜で覆った仕組み。実はこのように大型建造物の骨組みを木で造ることができたのは、集成材のおかげなのです。

ご存知のように集成材とは、木板を多数重ねて強力接着をした製品です。ですから、無垢の天然木のような割れや歪みが少なく、単位重量あたりの強度があることも特長です。また、集成材として大断面になっている骨組みですから、一気に着火しにくく耐火性にも優れているというわけです。何よりもドームの中に入って天井を仰いだとき、幾何学的に組まれたアーチが美しいラインを見せてくれます。これが鉄骨だと少々無骨な感じがするのでしょうが、木材ならではの優しさや温もり感がよく伝わってくる施設です。

このように木質ならではのすばらしさと、大型建造物でも耐えられる強度が証明された出雲ドームをきっかけに、各地で同じような集成材を使う大規模木質系ドームが見られるようになりました。ちなみに現在、世界一大きい木質系ドームとされているのは秋田県大館市に建てられた「大館樹海ドーム」。秋田杉を約25,000本使った集成材を骨組みにして造られており、これまた美しいフォルムのドームとして著名です。