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アナザーストーリー

カテゴリ : 木で出来たプロダクト

第22回 木の文化に培われ多様化した、日本の箸。
日本人の食事道具として「箸」は欠かせません。スプーンやフォークだけで済んでしまうメニューもありますが、たいてい一日に一度は箸を手にすることでしょう。

箸の歴史は古く、およそ弥生時代ころに遡るのではないかと言われています。
朝鮮から象牙や金属製の箸も伝来されましたが、一般的に使われているのは木製の箸が中心です。

しかし何気なく使っている木の箸とは言え、捻(ひね)り風に削りを施したものや、漆塗り、さらには繊細な螺鈿細工(らでんざいく)まであり、あの細い箸の中に並々ならないこだわりを見ることができます。
また、微妙な箸使いができるよう先端を細く削る細工は日本独特、例えば一粒の小さな豆でも私たちは苦もなくつまんで口に入れることができますが、スプーンやフォークでこうはいきません。

幕末から明治にかけて、金属でできたバラバラの活字を組み合わせて印刷の版にする手法が取り入れられるようになりましたが、それまでしばらくはページごとに木に彫る技法が中心でした。この木版印刷こそ、江戸時代の知的文化を支えてきたと言っても過言ではないでしょう。

箸は2本の棒を通してその大きさや柔らかさなどの微妙な情報を得るとともに、つまみ上げるためのちから加減を伝達する役目を担っているからです。こういう繊細なコントロールは、しなやかな木や竹の材料で作られた箸ならでは。ある意味私たちは、お料理を口にするとき箸からも味わいを得ているのではないでしょうか。

たかが箸と言わず、今夜の食事で改めて箸で成り立つ文化を見直してみませんか。