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アナザーストーリー

カテゴリ : 木にまつわるエトセトラ

第20回 江戸時代の知的文化を支えたのは木版印刷のおかげ。
江戸時代の学校と言えば「寺子屋」。

特筆すべきはこの寺子屋のシステムを同時代の欧米諸国と比較すると、一部特権階級だけの学舎ではなく一般庶民の子どもたちも通える仕組みになっていたことです。
社会人となる素養として"読み書き算盤(そろばん)"と言われていましたが、農民を例に見ると、開墾する土地の面積だけではなく、土量や水路の傾斜までも計算できる、高度な数学知識を身につけていたそうです。

さて学校で必要になってくるのは教科書、もちろん人数分だけ筆写していたのではたいへんなことです。
そこで当時では、木の板に1ページずつ文字や画を彫り、手刷りしたものを一冊に綴って使っていました。
いまで言う活版印刷の原点で、おかげで教科書やお経本、現代の新聞に匹敵する瓦版などを大量に印刷することができたのです。
木材に恵まれていた日本ですから、手近な木に彫るという発想が生まれたのも自然なことかも知れません。

幕末から明治にかけて、金属でできたバラバラの活字を組み合わせて印刷の版にする手法が取り入れられるようになりましたが、それまでしばらくはページごとに木に彫る技法が中心でした。この木版印刷こそ、江戸時代の知的文化を支えてきたと言っても過言ではないでしょう。